「おはよ、奈津!」
「吏愛おはよーっ♪吏愛に提案があるの!」
「なに?」
「ファンレ、書かない?」
「誰に?」
「誰にって、海吏に決まってるでしょーがっ!あたしは夏海様にだけどっ」


ちなみに‘夏海様’っていうのはsuperboyのメンバーの1人。



「私ファンレなんて書いたことないんだけど、大丈夫かな…?」
「大丈夫大丈夫!明日サイゼリヤ寄って、語りながら書こ♪」
「うん、分かった!その後プリ撮りにいこ?」
「いいねいいねっ」



そんなこんなで盛り上がって
学校に到着した。

おはよう、私達はクラスメイトに声をかけながら席に向かう。



トントン

「ん?」
後ろを振り向くと、結城くんがいた。
「結城くん、どうしたの?」
「…」


結城くんは私に無言でメモ用紙を手に掴ませて走っていってしまった。

「ゆ、結城くん!待ってよ!」


なんだろこれ…。


折りたたまれた紙を開いてみると、

“部活の後でいいから、放課後音楽室に来て”



「私何かしたかな…」

ちょっと不安になりながら
紙をポケットにしまった。