「・・・で、どこに行くの?」

カトレアの問いにロイドは

「たまには一家団欒で買い物したり、公園でのんびり散歩しようと思ってる。」

ロイドのその言葉に何かを思い出したのか

「そうだ!」

と、大声をあげ、マリアがキッチンに戻っていった。

「せっかく作ったのに忘れるところだったわ。」

キッチンから戻ってきたマリアの手には少し大きめのバケット。

公園で食べるために作ったのであろう。中にはサンドイッチが入っているらしい。

「せっかく手間暇かけて作ったのに、忘れてしまってはもともこもないぞ。」

そんな他愛のない会話のやり取りをして、二人は笑いながら玄関に歩いていった。

けれどもその後ろを歩いているカトレアは、妙な違和感を感じていた。