けれどもそんな言葉をサラッと表情を曇らさずに言えるニック。

20年以上たって吹っ切れているのであろうが、カトレアにはそんなニックの考えが理解できずにいた。

そしてそのセリフを聞いたマリアは

『そう』

って感じにうなずいただけでだった。

まぁ、ニックから両親のことを聞いていたのであろう。あまり驚いた顔をしていない。

不思議なことに関心もなさそうである。

そんなマリアの表情を見ると、普段ニックがマリアに両親のことをあまり良いように言っていないのが窺える。