カトレアは手帳を開き、メモした住所の場所に向かった。

電車に乗り一駅。さほど遠くなく、距離的には孤児院から10キロもないくらいである。

けれども、ようやく手に入れたアニーの手がかりであったが、状況は最悪な方向に向かっていたのだ。

遠くの方からでも分かる人だかり。位置的にはおそらくアニーの家であろう場所。そこには夫、ロイドの姿があったのである。

カトレアは昨日ロイドの言った言葉を思い出したのだ。

つまり『もうアニーはこの世にいない。』そういうことであった。