子供達が校庭に走って行く姿を眺めていると、いつの間にかカトレアの後ろに立っていた園長が優しく尋ねる。

「子供達の未来は見えましたか?」

園長の問いにカトレアは

「えぇ、とても素晴らしい未来でしたよ。」
そう言って微笑んだカトレアの目には涙が浮かんでいた。

乾いていない涙のまま門をくぐり、もう一度孤児院に頭を下げ、園を後にしたのである。