「廊下は走ると危ないわよ。」

そう言いながらカトレアはその場にしゃがみ、男の子の頭を撫でたのである。

「うん」

と、男の子は返事をして元気に立ち上がった。

「強い子ね。男の子は元気が一番よ。」

カトレアはその子の服の汚れを『パンパン』と、払い、肩を『ポンっ』と軽く叩いた。

すると、さらに後ろからボールを持った数人の子供達がやってきて

「おばさんも一緒に遊ぼうよ。」

カトレアはにっこりと微笑んで

「ごめんね。また今度ね。残念だけど今日はまだ行くところがあるから・・・」

そうカトレアは言って、一人一人抱きしめたのである。