「私が近づいて行くのが分かったらしく、気まずそうに辺りを見渡し、後ろを向いて行ってしまいました。次、来たとき話そうと思ったのだけど、それっきり姿を見かけることはありませんでした。そしてこの写真・・・」

そう言って指差した先の写真を手に取り、とても懐かしそうに

「これが最後のニックの写真です。・・・15歳の誕生日のですね。今思えばその日のニックはいつもと様子が違ったのかも知れません。いつもより明るかったような・・・。自分の中で、その日が最後と決めていたのかも知れませんね。」