「そう。それより美味しく出来たでしょ?時間かけたのよ。これなら彼に出しても喜んでくれるわね。」

マリアは首を少し横に傾け、苦笑いを浮かべた。

ニックに不信を抱いているカトレアだったが、微笑ましい娘との会話に幸せを感じていたのである。


そこへようやくロイドが帰宅した。ネクタイをはずしながらリビングへと入ってきたが、何か考え事をしている様子。

「おかえりなさい。どうかしたの?」

「あー、ただいま。これからまた仕事に戻らないといけないんだ。」

ロイドは眉間にしわを寄せ浴室に向かって行った。