「レイマン・・・?」

カルテを見ていたレイマンはカトレアに気づき

「・・・カトレア?」

目を細め、昔のカトレアの姿と照らし合わしながら懐かしそうに話しかけてきた。

その笑い声は確かにカトレアの知るレイマン本人であった。

「20年たつと白衣の天使も老けるものだなぁ。・・・ところで突然どうした?」

久しぶりの再会に『老けた』の一言は余計である。多少ムッとしたカトレアは

「あなたも古びたわね。そんなことよりもシャロン婦長に会いたいのたけど・・・」

そう尋ねると、レイマンは少し考えてから

「婦長は辞めてから10年になるから、今はどうしているのか分からない。でも当時の名簿なら残っているはずだから見てみたらどうかな?」

レイマンはモーリー婦長を呼び

「仕事中悪いが、10年前の名簿を彼女に渡してやってくれないか。彼女は昔、世話になった人だからくれぐれも粗相の無いように頼むよ。」