覚悟を決め、病院に足を踏み入れると、受付には見知らぬ若い女性。それもそうである。20年もたって人が変わらない方がおかしいくらいなのだ。

「婦長のシャロンは?」

その受付にカトレアが尋ねると、女性は困った顔をして

「婦長はモーリーですよ。」

やはりそう簡単には会えなかった。けれど覚悟をして、この場所まで来たカトレアは引き下がれず

「じゃぁ、シンディかエレン。えーと、コリン先生は・・・?」

当時の仲間の名前を挙げてみたが、彼女は相変わらず困った顔をして

「すみません。私まだここに来て日が浅いもので・・・」

二人して困った顔をしていると

「どうしたの?メリー??」

と、一人の看護婦が近づいてきたのである。

「婦長!こちらの方が・・・」

その婦長と呼ばれている人は、カトレアに軽く会釈をして

「どうかなさいましたか?」

不審そうにカトレアをながめている。