夜8時になり、ようやくマリアが帰ってきた。

「ただいま。今日は疲れたわ。」

そう言って、まっすぐシャワーを浴びに浴室へ向かった。

カトレアは平然を装い

「今日、ニックが腕時計を取りに来たわよ。」

それを聞き、浴室の扉のノブに手をかけたマリアは、さほど驚いた様子もなく

「そう。」

よほど疲れているのだろうか、そのまま浴室に入っていった。