中に入ると、予想通りシーンと静まり返っている。

何度も『夢』で味わって、この先起こる事を知っているカトレアではあるが、やはり銃口をマリアに向けている自分の姿を思い出すと、恐怖心を拭いきれなかった。

けれど自分の能力が本物かどうか確かめたい。そんな気持ちがあったのか、カトレアは覚悟を決め、マリアが居るであろうリビングに向かって足を進めたのであった。



カトレアはリビングの扉の前に立ち止まり、一呼吸おいてからノブに手をかける。

震える手を抑え、ゆっくりと扉を開け、中を伺う。すると・・・。

やはり真っ先に目に飛び込んできたのは、いつの日にか買った、あの白い服を着て立っているマリアの姿だった。