差し出されたノートを受け取り、カトレアは一枚ページをめくってみた。



明らかに子供が書いたような字体の文字である。

読みづらい日記であったが、なぜかカトレアには懐かしさを感じたのであった。

そしてその日記に目を通していたカトレアは目を疑ったのである。


そこにはジェフが言っていた通り、アンナの死の事が書いてあった。

けれど、続きを読むにつれ、カトレアの顔はだんだんと険しくなっていったのだ。


ニックとの出会い、ニックの両親の死、セシルの死・・・

そしてカトレアが何より驚いたのは『父』の死の文字。


・・・『父』。

そう、カトレアが目を疑ったのはその部分であった。

更に続きを読むと『母』が体調を崩す事や病院を訪れる事まで書いてあったのである。

それはまさにカトレアの身の回りに起きた出来事と酷似していたのだ。