「私が運命を変えるのは最後の1回だけ。そしてその時に、私が新しい『神』になるのよ。」

ミリアムは背中を向け、海を見渡しながら更に大声で笑ったのである。

しばらくして、ようやく笑い終わったミリアムは顔だけをニック達に向け、こうつぶやいたのだ。


「邪魔だったのよね~、あの子・・・ふふふ・・・」


その言葉を聞いて怒りが抑えられなくなったニックは、ミリアムに駆け寄り背中を押したのだ。

高い崖から落ちて行ったミリアムは、あっという間に波しぶきの荒い海に飲み込まれ、一瞬で姿は消えてしまった。

すぐに我に返ったが、とんでもない事をしてしまったと、ニックはその場に膝をついた。

しばらくうつ向いて動かないニックの肩にジェフは手を置き

「二人だけの秘密にしよう。」

と・・・。そして二人は帰路についたのであった。