「この写真・・・ひょっとして・・・」

その写真を撮った場所が孤児院である事から、ふとカトレアはセシルの言葉を思い出した。


『見せたい物がある。』


カトレアの推測ではあるが、おそらくこの写真の事であろう。

けれどどうして顔の部分が切り取られているのか・・・?

しばらくカトレアはその写真を持って、いろいろな仮説を立てていた。

けれど納得のいく答えは何一つ出なかった。

そしてそんなカトレアがとった行動は・・・昔のロイドの部屋。

現在のニックの部屋に向かう事であった。

この日はニックもマリアも帰って来ない。

今日ほどその部屋に入るチャンスはない。そう思ったのであろう。

 カトレアがこの部屋に足を踏み入れたのは、ロイドが亡くなってからは初めてで、扉を開け、まず室内を見渡すカトレア。小物や部屋に掛かっている衣服は違うが、机や家具はほとんどそのままになっている。