カトレアはそれを手に取り、開くとカトレアの写真、産まれたばかりのマリアの写真、学校の卒業式の写真・・・。

机の書類とは違い、このアルバムだけはきちんとファイルされていたのである。

そしてその写真は、どれを見てもみんな笑顔であったのだ。

カトレアは更に込み上げてくるものを堪えて、涙を拭ったのであった。


一通り目を通したカトレアは、それらを段ボールに詰め込み、警察署を後にした。


着いた頃は、少し陽も沈みかけていた。家には灯りがついていて、マリアかニックが居る事が外から窺える。