『散乱』と言う表現が正しいくらいに散らばっている書類。

長年連れ添ったカトレアでさえ、解読できない様な走り書きしたメモ。

くっきりと残った、コーヒーカップの跡・・・。

今にもこの机の主が戻ってきて、仕事を始めそうな錯覚さえしてしまう。

けれど帰ってくるはずのない事を、分かっているカトレアは、机に飾ってある家族の集合写真を見つけると、それを手に取り、自然と涙が溢れ出てきたのであった。


椅子を引き、その椅子に腰をかけたカトレアは、いつもこんな感じで仕事していたのだろうな、と想像しながら引き出しを開ける。

やはり机同様に整理されていない。

どの引き出しも必要なのかどうかわからない書類が散乱している。

その散乱している書類を掻き分けると、奥の方から小さなアルバムを発見したのだ。