どうしてそんな事を聞くのか?と、言いたげな表情でカトレアを見つめるトッド。

それに気がついたカトレアは

「主人が亡くなる前・・・。最後の言葉が、ニックの彼女の『死』の事だったの・・・。『ニックの過去を知っている人物が次々に死んでしまう。』そう言って仕事に向かって行ったわ・・・。そしてその日に主人も・・・」

そこまで言うとトッドが遂に重い口を開いたのだ。

「すみません。辛いことを思い出させて・・・。力になりたいのですが・・・実は・・・。」

そう言ってトッドは申し訳ないさそうに、うつ向いてしまったのである。

トッドが何を言いたかったのか分からなかったカトレアは

「実は・・・?」

と、聞き返すが、沈黙が続く、

「分からないのです。」

トッドの口からようやく出た言葉であったが、カトレアにはまだ納得できる答えではなかった。