カトレアの目の前には、白い大きな建物。

こういう場所に来る機会がなかったカトレアは、入るのに躊躇してしまう。

けれどこのままでは何も変わらない。そう思ったカトレアは、深く深呼吸をして、一歩、中へと足を踏み入れたのであった。


建物に入り、辺りを見渡す。

人の出入りが激しく、もっとザワついているのを想像していたカトレアだったが、予想外に中は静まりかえっている。

スーツ姿の人や制服を着た人達が机に向かい、仕事をしているだけであった。

中に入るなり、辺りを気にしているカトレアの姿はやはり怪しいのか、制服を着た一人の女性職員が話かけてきた。

「どうかなさいましたか?」

いきなり背後からの問いかけに、一瞬言葉を失ったカトレアではあったが、そんなカトレアに救いの手がはいる。

「ひょっとして、先輩の・・・?」

その言葉に振り返ると、そこにはトッドが立っていた。