そしてニックがゆっくり振り返りこう続けた。

「ボク・・・あの頃の事、覚えているのですよ。あなたがボクの首を絞めようとした日の事を・・・」

その時のニックの目は正に『冷たい』と、言う表現がぴったりであった。

何の気持ちもこもっていない、ガラスの様な瞳。

そんなニックの目を見ていると、カトレアは体の震えを抑えきれなくなり、突きつけていた銃をおろした。

ニックの口元はニヤリと笑い

「ボクにもあるのですよ。・・・あなたと同じ能力が・・・。」

その言葉を聞いた瞬間、カトレアはその場に崩れ落ち、意識を失ったのであった。