翌朝、ロイドに全てを話す決心をする。

ロイドはじっとカトレアの言葉を静かに聞いた。

カトレアは話し終わったが、終始無言が続いて、ようやくロイドが口を開いたのである。

「相談くらいしてほしかった。」

たった一言ではあるが、重い一言である。

更に数分の沈黙があり、ロイドがこうきりだした。

「引っ越そうか?こんな事があったんだし、黒い影の届かない遠い所に・・・」

いつも優しいロイドに、本当に申し訳ない気持ちになりながら、カトレアは静かにうなずいた。



田舎に引っ越すことになった3人だったが、カトレアの持ち前の明るさ、ロイドの優しさ、マリアの可愛らしさでご近所ともすぐに打ち解ける事ができたのである。

田舎と言っても、少し足を伸ばせば揃わない物は何もなく、自然も多い。

ひと度、家を出ようものならそこには絵画のような世界が広がっている。

マリアにとっても素晴らしい環境であった。