カトレアの問いに首を横に振る彼女。やはりセシルから何も聞いていない様である。

あきらめて帰ろうと『園』に背中を向けたのだったが、このままで帰れないカトレアは、足を止め

「セシル・・・いえ、園長先生の机を見させてもらえないですか?」

と・・・。

ひょっとするとセシルの言っていた

『見せたい物』

があるかも知れない。そう思ったのだ。

前に訪れた時に一度見ているし、何かしらの変化に気付く可能性もある。

少し強引ではあったが、カトレアはそう言うと、彼女の返事を待たずに『園』の中に入って行った。