ロイドに遅れること10分くらいであろうか。

アイスコーヒーを入れてようやくソファーに腰をおろしたカトレア。

「どぅぞ!」と、アイスコーヒーをテーブルに置くが、すでにロイドは眠りについた後であった。


洗い物を終えても一向に起きる気配がないロイドに

「ちゃんとベッドで寝ないと風邪ひくわよ。」

けれどもロイドはめんどくさそうに

「う~ん」と答えただけで寝返りをして、また眠ってしまった。

そんなロイドにシーツを掛けカトレアも眠る準備を始めていると、突然ロイドの携帯が鳴ったのである。

さっきまで全く起きる気配がなかったロイドが、携帯が鳴った途端に飛び起き、寝起きというのが嘘のように話をしている。

本当に仕事人間だなぁ。

とカトレアは感心してその姿を見ていると、ロイドの顔がみるみる険しく変わっていくのが分かった。

電話を切り、慌てて家を出たロイドがカトレアに言った一言は

「君の言う通り、ニックは信じてはいけなかったのかもな・・・」