「ママ・・・ママ!!」


誰かの呼ぶ声でカトレアは目を覚ますと、しゃがんでいるマリアが目に入った。

「少し肌寒くなってきたわ。そろそろ起きないと風邪ひいちゃうよ。」

確かに少し風が出てきて体が冷えている。

このまま寝てたら本当に風邪をひいてしまうと思ったが、横を見るとロイドが腹を出して熟睡していた。

「パパ!帰るわよ。」
よほど疲れがたまっていたのか、何度かマリアがロイドをゆすったが、一向に起きる気配がない。

ようやく起きたのは怒ったマリアの最後の一撃である。

ロイドは片手で頭抑えながら、目をこすり、ゆっくり起き上がった。そして大きく伸びをして辺りを見渡している。

「あれ?ニックは?」
まさにカトレアの考えが確信に変わった瞬間であった。