「キレイな字だね〜」 「でしょ」 なぜか私が褒められている気がして嬉しくなった。 「でも、この字職員室で見たようなぁ…」 咲恵先生は眉をひそめた。 「んな訳ないじゃん。先生が私の課題手伝うかっつうの!!!」 「まぁ確かに。誰かの提出ノート見たのかも」 先生は納得するとコーヒーのおかわりを注ぎに行った。 「なんで私はこんなに大人に嫌われるんだろうね」 独り言のように呟いた。それは誰の耳にも届かずに保健室の独特な消毒液の匂いの中に消えた。