まだ、心臓がドキドキ鳴ってる。


「ヤバイ・・・。」


誰にも聞こえないように、小さく呟いた。


「何がヤバいん?」


隣にいた麗香が話しかける。


「ウチ・・・惚れた。」

「誰に!?」

「戸川に・・・。」

「はっ!?嘘やろ!?」

「ホント・・・。」

「はっ!?マジで!?」


イキナリの話で麗香は驚いた言葉しか出ていなかった。


こんな風に話してる自分だけど、自分でも結構ビックリしてる。


まさか自分が先生に恋するなんて本当に思ってなかったから。


本当は麗香だけに言うつもりが、何かのせいであたしが戸川のことが好きだっていうのが、クラス中に広がってしまう事件が起きる。


それは、明日の話。


この時の浮かれてる私は、明日何が起きるかなんて分からなかった。


今までにない、大きな嵐が起ころうとしていたのに・・・。