別に、戸川先生だけにしてるわけじゃない。


色んな先生にﾍﾞﾀﾍﾞﾀして、みんなに嫌われてる。


しかも、大分出身なのに大分弁は全然出てこないし。


標準語で喋ってるのもみんな気にくわないみたい。


あたしも実際、今の現状が気にくわない。


あたしですら、まだ先生に触れたことなんか1度もないのに･･･｡


先生のﾍﾟﾝを触っただけなのに！！


ﾎﾟｹｯﾄ触ったり、肩触ったり、ﾍﾞﾀﾍﾞﾀしてんじゃねーよ！！


↑平常心を保って顔には出さなかったけど、結構ｲﾗｲﾗしてた瞬間。



そして午前授業のため、もう終わり。


また明日かぁ。


いつもならあと2時間は一緒にいれるのに･･･｡


そんなことを思いながら帰ろうとした時。


「ﾊﾞｲﾊﾞｲっち言わんの？」


麗香があたしを引き止めて言う。


あぁ！忘れてた！言わなきゃ、言わなきゃ！


「先生、ﾊﾞｲﾊﾞｲ。」


いつものように、言って、顔をあげるとすぐそこに戸川先生の顔があった。


驚いて少し倒れそうになったけど、冷静を装ってすぐに教室を出た。


この時まで、凄く幸せだったのに･･･｡


やっぱり、教師と生徒の恋は厳禁なんだ。


あたしの片思いですら、ﾀﾞﾒなんだ･･･｡


ごめんなさい、“先生”。