こんな可愛い子が近くにいるのに、私なんかを見てくれるのかな。
もやもやした汚い感情が、私を支配する。
「………いるじゃんね」
その女の子が離れた後、呟いた。
「え?」
「可愛い子。いっぱいいるじゃん。」
「いねーよ。1ミクロンもいねぇ。」
その横顔から、真意は掴めない。
「だとしたら、君の目は腐ってる」
「うん、腐ってる。」
じゃあ、腐った君の目には、誰が可愛く映るの?
そんなこと、聞ける筈が無いんだけど。
「うわ、認めちゃったよ、この人」
もやもやを悟られないように、下を向き、私は笑いながらそう言った。
彼の視線を感じた、気がした。
*腐った君の瞳に映るのは、*

