歩いてる時も、彼は、彼の友達の男の子や、後輩や同級生らしき女の子に声をかけられる。

いつも友達居ないって嘆いてる癖に、結構人気者じゃないか。

嬉しい反面、ちょっと寂しい。


それに、話しかけてくる女の子や、校舎を歩いてる女の子達が、みんな可愛い。

いつも可愛い女の子学校に居ないって言ってる癖にね。


もやもや。


彼は私のもやもやになんか気付かないで、学校を案内する。

すると、反対側から、今日1番と言っても良いくらいの可愛い子が、彼に声をかけた。

色素の薄い髪はゆるく巻いていて、右肩に流している。
背の高い彼とお似合いな、高い身長。私より15センチ位高いだろうか。


「え? その子誰ー?」

「んー、友達?」


事実だけに、悔しい。

どうせ、ただの友達ですよ。

こういう時、自分の訳の分からないポジションが疎ましくなる。


「へー、可愛いね」


そう言う女の子の視線は、彼のバッグを掴んでいる私の手をとらえていた。


視線が、痛い。


ああ、絶対、この子は、そんなこと思ってない。


せめてもの抵抗に、バッグを掴んだ手に力を込めた。


心臓が、ばくばくする。



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