地元の駅に着いて、電車を降りると再びケータイが震えた。


今度は着信。


案の定と言った所だ。


若干の躊躇の後、



「はい」


意を決して電話に出た。


『あゆ?今どこ?』


平静を装ってるのがバレバレな声だ。


動揺、そりゃするよな。


なんて、あたしが冷静過ぎるか。



「・・・地元」


抑揚の無い声が自然と零れ落ちている。


これでも少しは罪悪感があるのに。