「浮気はまじで1回もした事ねぇよ」


静かに雅司が言う。


当たり前の事でも、昨今では”誠実”だと賞賛されるだろう。


「マジで?」


本当に驚いたみたいな表情で明が追求する。


「マジ。


まぁ浮気された事はあるけどな」


少し自嘲気味に雅司が笑った。


・・・雅司が彼氏なのに浮気なんて有り得ない。


想像しただけで、眩暈、だ。


でも・・・


そうか・・・


雅司はきっと本当に誠実な人。


彼女を裏切る事なんて絶対に無い。


なら、


あたしを好きになる事も決して−−−・・・


ブルルッ


不意にポケットの中のケータイが震えた。