「でね、彼女とは別れる気ないみたいだけどね、


あたしとも仲悪くなるのは嫌みたいで。


でもクリスマスはやっぱ彼女優先なんだよね」


淡々と、思い出すように、話す。


「そっか」


謙吾は、ただただ相槌を打って、話を聞いてくれていた。


批判するでもなく、アドバイスをくれるわけでもなく、


ただただ、隣を歩いてくれている。


どんな気持ちで、ここにいてくれるのか、


あたしには解らないけれど、


ただ話を聞いてくれるだけの謙吾の存在が、


今のあたしには心地良い。