「次の日曜空いてる?」


麻子と明が席を立ってる昼休み、雅司が言った。


「うん。空いてる」


あたしは何の躊躇もナシに返す。


こんなこっそりとしたやり取りが、日課になりつつあった。


雅司とキスしたあの日から、


また少し関係性が変わって来ている。


そうそう家の人がいないなんて事も無いから、


あれ以来雅司の家には行ってないけれど、


都合が合えば一緒に帰ったり、


週末はデートしたりしている。


雅司は相変わらず何も言わないし、


あたしも何も聞かないけど、


いつしかそれすらどうでもいい事のようになっている。


今でもふと考えたりはするけれど、


誤魔化すのに、すっかり慣れてしまっている。