「おはよ」


ドキッ、と鼓動が跳ねる。


聞き慣れた筈の声が、何倍も良い声に聞こえる、なんて。


「・・・おはよ」


昨日の事が鮮明に思い出されて、


とても雅司の顔をマトモに見れない。


お互いに、微妙な空気を出してる。


「あれ?2人なんかあった?」


さすがの麻子が鋭い。


「「別にっ」」


なんて、ハモって、また、動揺する。


鼓動が、逸るばっかりで、


どうしたらいいの??


心臓が、もたない。


キーンコーン・・・


ようやく鳴ったチャイムに、


ホッと胸を撫で下ろして、机に突っ伏した。