そして、待ちきれず夜が明けた。
コンコン
ドアを叩く音が耳に入る
「ルナ様、失礼いたします。」
そう行って扉を開けるアベル
「・・・・・。」
相変わらず、口を開こうとしないルナ
なんなルナに声をかけるアベル
「ルナ、今日は天気が良いな。
気分転換に庭園へ行かないか?
今日は俺非番で時間があるんだ。」
「・・・・アベル、」
久しぶりに聞く透き通った凛とした声
心地よいとさえ思える
愛しい人の声
「私、今夜永迷の森へ行くわ」
「何?」
先ほどまで機嫌のよかったアベルとは一転
険しい表情を浮かべるアベル
「あの森は魔女がいると昔から言われてきた場所
そんな場所に行くなんて俺は許さない。」
今回ばかりは反対だ
そう強く言葉を紡ぐ。
「そうよね、でも・・・私どうしても
サンに逢いたいの
どうしても逢って、渡したいの・・・。」
そう行って引き出しから出したのは
あの日露天商から譲り受けたブレスレット
「ルナ・・・。
今回ばかりは許すわけにはいかない
永迷の森は入ったら二度と帰ってこれない
俺の親父もそうだった。
忘れたわけじゃないだろ?
そんな場所にルナを行かせられない。」
「でも、そこでサンが待っているの!
サンに一度でいいのっ!!!!
逢いたい・・・。
逢いたいの・・・」
「ルナ・・・。」
困り果てた表情のアベル
瞳に涙を浮かべ懇願するルナ
「・・・・・勝手にしろ、もう俺は知らない。」
呆れたように言い放つアベル
「ア、アベルっ・・・!」
「許したわけじゃないからな、
一人で行くなら、俺も行くから。
声をかけろ。
約束だ。いいな?」
