今日は、町へ出かける日


城の姫として城下へ降りることは
あまり無いことだが、
今日は、あるものを探しに仕方なくという感じだ。


「失礼いたします」

ドアをノックしたあとに聞こえる
聞きなれた声

「今日は、アベルが来るの?」


「わたくしでは、ご不満でしょうか?」

「いいえ、ただ、最近顔を見てなかったから。」

「今日の護衛わたくし、アベルが勤めさせていただきます。」

頼むわねと言葉を返すルナ

サンは今日は少しお留守番

「何を買おうかしら・・・。」



馬車に乗り込み一人呟くルナ。



少し、馬が走れば
城下へ着く



「アベル、貴方はもらうとするなら
何がほしい?」

「わたくしですか?」


「アベルに聞いてるの。」

「・・・・。俺はルナからもらえるなら何でも良いさ。」

「参考にもならないわね。」


ため息をつきながら、意地悪っぽく言う。

「・・・うるせえ。」



そんなかんじに店を見て周ったが
どうもしっくりくるものが見つからない。


「もう、日も暮れそうね。いいものも無いみたいだし・・・。
帰りましょうか?」

「そうですね、夜は冷えますし。」


会話が終わり馬車まで歩く

その道沿いに露店を出している
男性が座っていた。


「よお、買っていかねえか?」


そう言葉をルナに投げかける。

「・・・。これは・・・?」


「俺の故郷の願掛けのブレスレットさ。
このブレスに願いを込めてつける。
そして、切れれば願いが叶うというブレスだ。」


「そう、・・・。」


「ルナ様、どこの輩も分からないものから物を買うなんて・・・」


「では、この赤いブレスと青いブレス
二つ包んで。これで足りるかしら?」


「あぁ、十分だ。」


「ありがとう。・・・アベル、帰るわよ。」


「で、ですが・・・ルナ様。」


「アベル。」


「かしこまりました。すぐに馬車を回してまいります。」


アベルは馬車まで足を急がせた。