わたしも、彼に向けていた視線を
同じ方向に向ければ、

そこには

「こんばんわ、」

長身だが、綺麗な声
全身黒一色だが、足には可愛らしい
アンクレット
髪は綺麗な銀髪

だが、こんな風になれなれしく
話しかけられるような知人ではない
むしろ、初対面

でも、彼は目を逸らさなかった。

「用件だけ聞く。」

冷たく言い放った


「冷たいねえ、サン」

「その名を気安く呼ぶな。」

尚も、冷たく言い放つ

肩をすくめながら見ていた銀髪の女は
流し目で私を見つめる。

「なんだい、まだ目覚めてないのかい?」

「・・・あぁ、」

「面白くないねぇ、せっかく1000年ぶりに会った
ってえのに、あんたも姫様も冷たいねえ、」

「リジェンやめろ、」

何がなんだか分かんない。

何普通に会話してんの?
知り合い?
頭がぐるぐる回る


「鍵は、名前」

えっ?

「やめろ、リジェン、」


銀髪の女は続けて私に言う

「あなたは覚えてるよ、ルナ様」


ルナ?


誰?


私の名前はるなじゃない



あいつだってあんなへんてこな
名前じゃない。