赤髪は舌打ちをして
撃たれた腕を押さえ
窓から飛び落ちた。
「やったか!?
ルナ様、ご無事で何より・・・。」
ルナは赤髪が落ちた場所を見下ろすが
姿が見当たらなかった。
「ここは危険です。
アベル総隊長より安全な場所へと仰せつかっております。
こちらへ。」
ルナは仕方なく兵士についていった。
「えぇ、ありがとう。
ところで、あなた見ない顔ね?」
ルナは、疑問に思っていた。
危険な立場のため
この部屋に入ることが出来るのは
極少数
そのため、ルナは全員の顔を覚えている。
だが、今ルナを助けに来た
この男
明らかに、初めて見る顔だった。
「は、はい、今日入隊したばかりで、
兵隊長から命を受け、ルナ様をお助けにあがりました。
私についてきてください。」
違和感を覚えたが、
ここは従ったほうがいいと判断し
部屋を後にした。
兵士の後を歩いていると
だんだん、人気のない場所に着いた。
ここで、全部つながった。
「あなた、兵士ではありませんね。
私に何の用でしょうか?」
「ばれちゃいましたね。
まあ、誰でも分かっちゃいますけどね
ここまできたら・・・」
そういいかけると、懐から鋭く光るナイフ
「ある方にお前を連れてくるように頼まれた。
おとなしく来てくれれば悪いようにはしない。」
まあ、今頃国王もあの世行きだ。
そういって、ナイフを首もとに向けて
にやりと口元を上げた。
「い、いやっ・・離し・・っ!」
上から人が降ってきた
正確に言えば
落ちてきた。
