お伽話



ガンッと
鈍い音が聞こえた。

瞬間に閉じてしまった目を
ゆっくり開けると
腕には後が残っているが
男の腕は無く

目の前には顔の変形した黒ずくめの男が伸びていた


そして、振り返れば
後ろには窓で見た赤髪の少年
近くで見れば少年ではなく男


「大丈夫か?」


「えっ?・・・あ、はい。」


思わぬ出来事に頭が着いていかず曖昧な返事を
返してしまった。


「なら、いい。」


そいうって、窓から飛び降りようとする赤髪に
ルナは叫ぶ

「ま、待ってっ!」

言ったと同時に男の腕を掴む

「どうした?」


優しく、そして安心の出来る声色で
返事をする。


「な、お、お名前はっ?」


胸の鼓動が大きすぎて聞こえてしまうんじゃないかと
それくらいドキドキしていて
噛んでしまった。


すると、男は

「また、会えるさ。」


今度こそ、と窓から出ようとする赤髪


バン!


銃声が聞こえた

「ルナ様、そいつは危険です!
ここからお逃げください。」



言い終わると赤髪の少年を見て

兵士はもう一度銃を構えた


「赤髪っ!!!!
すぐに、ルナ様から離れろ!」