「引越し業者さんが来てるみたい」

少しわくわくした様子で、寿々歌が話す。

「ちょうど1年後だから、何だか縁がありそうだよね」

どんな人が隣に住むのか、寿々歌は気になって仕方ないらしく、何度も玄関を出てはそわそわしていた。
もう10回はそれを繰り返しただろうと言う時。

「あーっ!」

玄関の外で寿々歌の大きな声がした。