それから少し、ただ何も無い時間を二人で過ごして。 どれくらい時間が経っただろう。 俺達は店に戻った。 定と七海がいる。 それはごく当たり前のことなのだが、異変が起きていた。 七海の目が腫れている。 ――まさか、定が? そんなはずはない。あんな優しいやつに限って。 俺は咄嗟に定の腕を掴む。 「なぁ、定君? ちょっと二人で話さないか?」 「……どうしたんだよ、大悟」 「いいから、来いって!」 無理やり店の外へ連れ出した。