そして、今日もキミを想う。【完】


もし寿々歌と同じなのだとしたら、啓太にも何か消し去りたいような辛い過去があるということなのか……?
何も分からず戸惑う俺達を見て、マリさんは静かに語り出した。

「啓太はもともと宮崎の生まれでした」

話している相手は俺達でも、彼女の視線は啓太に向いていた。
柔らかな眼差しで、慈しむように見つめている。

「そして、私達3人は幼馴染でした」
「3人?」

七海がすぐに切り返す。
啓太とマリさん、あと一人が分からない。

「啓太には双子の兄がいました。名前は祐太」