体中が熱くなるのを感じた。
ゆっくりと唇を離してから、俺は気付く。
――ここは街中であるということに。

「……あ、ご、ごめん! その……」

自分でも自然に体が動いてしまっていて、何をしたのか理解できていなかった。
寿々歌はどう思っただろう。
嫌だっただろうか……。

「もう……」

寿々歌が溜め息をついた。
俺は焦る。怒らせたか……?

「そんなことで私が照れると思ってるの?」

その言葉を発した直後、彼女は背伸びをして俺にキスをした。