宮崎に到着し、駅の外に出て行くと、定が俺達を待っていた。
ずば抜けて背の高い定は、人込みの中でもすぐに分かるからありがたい。
「お、大悟!」
子供のように元気よく手を振る定。
そんな姿に思わず苦笑いする。
右を見ると、隣で寿々歌も微笑んでいた。
「あ、定! 久し振り!」
「よぉ、七海!」
久々の再会に嬉しそうな様子の、定と七海。
楽しそうなのはいいが、俺達がここに来た理由を忘れてもらっちゃ困る。
「おい、定……」
「あぁ、悪い。啓太に会いに来たんだったよな。行くか」
最後まで言わなくても、俺の言いたいことを酌んでくれた。
再び、俺は寿々歌のことを見た。
彼女の顔は、また曇っていた。


