そして2日後。
俺達は宮崎へ向かう新幹線の中にいた。
さすがに啓太に連絡することはできなかったが、定に伝えておいた。
定はあれから、啓太の様子を度々確認してくれていたらしい。
だが、定曰く、啓太はまだ立ち直れていないらしい。
宮崎に戻ることが決まってから、俺はずっと悩んでいた。
やはり、啓太に寿々歌を任せた方がいいのか。
今さらかもしれない。でも、辛い思いをするのは俺だけで済むかもしれない。
それとも、寿々歌の幸せを考えて……、俺の我が儘で俺の傍にいさせておくか。
いくら悩んでも、答えは出ない。
「宮崎か……、どんなとこなんだろ」
知らない地への期待に胸を躍らせている七海の隣で、ずっと窓の外だけを眺めている寿々歌。
宮崎に行くことを決めてから、口数も減り、笑顔も減った。
啓太のことで、彼女もまた悩んでいるのだろう。


