もう日はとっくに沈み、明るい月が空に浮かんでいる。 夕食も済ませ、俺達は帰ってきた。 「楽しかったね」 街頭の薄暗い明かりのおかげで、寿々歌の笑顔をよく見れた。 彼女は、辛いことを忘れて楽しめただろうか。 そうであることを祈るほかない。 時刻は22時を回ろうとしていた。 何の考えも無しに俺の家に戻ってきた俺達であったが、そこで気がつく。 「寿々歌、今日どうすんの?」 寿々歌の泊まる場所。 ここでも構わないが、彼女はどう思うだろうか。