西寿々歌。 その名を持つ彼女は、俺がずっと想い続け、そして手が届かないまま終わった相手だった。 長い長い片想いに終止符を打つ為に、高校生活最後の卒業式の日に告白する覚悟を決めた。 しかし、運が悪かったのだ。 彼女の姿を探していたら、親友が中庭で彼女に告白をしていた。 校舎の陰に隠れて、彼女が何と返事をするのかと盗み聞きした。 親友の告白は受け入れられた。 結局俺は茫然として何も考えられなくなって、告白できないまま別れてしまった。 望んでもいない形で片想いの終止符は打たれた。