こんなことってあるのかよ……。 唐突の出来事、そして寿々歌が語ったこと全てを、未だ信じる気になれない。 俺はついさっき、この想いを断ち切ったはずだったのに。 「分かった……寿々歌……。もういいんだ……。大悟と一緒に東京にでも戻ってくれ……」 力なく啓太が言った。 その言葉に俺も寿々歌も驚いて目を見張る。 「啓太……」 「もういいよ、荷物は後で送ってやるから、お前は帰れ。東京に帰ってくれ……」 そう言い残すと、啓太は自分の部屋に戻り、バタンと扉を閉めた。 廊下に俺と寿々歌が残された。