「ごめんな……!」

啓太の口から発せられたのは、謝罪だった。
俺は唇を強く噛んだ。
お前が謝る事なんて、何一つ無いだろ……?

ぐっと力を入れて歯を食いしばった。
そうでもしないと、涙が落ちてしまう。

無言で俺は部屋のドアを閉めた。

――これで終わりだ。
俺はこうして、自分から、真実から、啓太から、凛から――逃げた。