「じゃあな」 東京に戻ろう。 二人が結ばれることを知った今、俺がここにいる目的なんて無かった。 有休なんて必要なかった。 俺がここにいることで、下手に二人の関係を崩すわけにはいかない。 無理やり笑顔を作った。 きっと、笑顔とも言えないくらい酷い顔であっただろうが……。 本当は久々の再会の時間をもっと楽しみたかった。 凛となってしまっても、寿々歌と少しでも長く一緒に過ごしたかった。 でも、ここにいても辛いことしかない。 俺は啓太に背を向け、部屋を出ようとした。